採血
採血は、血液検査などの臨床検査を行うために生体の血液を採取することです。
静脈から採血する静脈採血と、動脈から採血する動脈採血とがありますが、
一般的に行われるのは静脈採血です。
採血の方法
- まず駆血帯で採血しようとする箇所よりも体幹よりに巻きつけて、
静脈血を鬱滞させます。
- 静脈が鬱滞により拡張したのち、皮膚に針を30〜45度の角度をつけて刺します。
- 真空採血管またはシリンジのどちらかで血液を採取します。
- 採血が終了したら、駆血帯を外し、その後は圧迫止血を数分間行います。
採血によるリスクとしては、針を刺した部位の皮下出欠や血腫、疼痛などの他、
わずかではありますが神経損傷のリスクもあります。
また、採血の時に倒れたという話をよく聞きますが、
これは採血したことによる貧血ではなく、
血管迷走神経反射と呼ばれるものにより引き起こされます。
針が刺さることによる恐怖や痛みなどによるストレスで、
血管に分布している迷走神経を刺激して血管が拡張して、
循環血液量が低下して起きます。
血管迷走神経反射が起きる直前は、
気分が悪くなる、目の前が暗くなる、眩暈といった自覚症状があります。
ほとんどの場合は数分で意識を取り戻し、後遺症はありません。
しかし、倒れた時に頭を打ってしまうなどの危険がありますので、
採血で倒れた経験のある人は、事前にそのことを医師や看護師に伝えておくとよいでしょう。
第T相試験で行われる採血は、回数が多いことが特徴です。
1日10回以上も採血をされることがあります。
第U相・第V相試験の場合は食事負荷試験等の特殊な検査がある場合を除き、
通常は通院時に1回採血をします。
第T相試験の採血量は、採血回数が多い時は1回につき5mL以下ということが多いのですが、
第U相・第V相試験の場合は、通常の診察で必要な採血と治験で必要な採血と両方採血する必要がある場合があり、1回の採血量が20mLを超えることもあります。