臨床第T相試験の参加資格
治験に参加するために、特別は資格は一切必要ありません。
ただし、各治験によって参加できる該当者の基準が変わってきますので、
そちらに該当する必要はあります。
ここでは、日本国内で行われている治験に参加するための一般的な基準を紹介していきます。
こちらの基準に該当しない場合には、殆どの第T相試験に参加できません。
治験(第T相)参加基準
臨床第T相試験の参加資格
- 成人している事(20歳以上)
第1相臨床試験に参加する場合には、
成人している方でないと治験に参加する事はできません。 - 体重50kg以上でBMI指数17.6〜である事
体の小さい方は、体の大きい方と比べ同じ薬剤の量を投薬した場合でも、
相対的に多くの薬剤を投薬している事になります。
あまりに体格が小柄な場合は、過量投与の危険性が考えられるので、
体重50kg以上の方、BMI17.6以上の方という形で
相対的な過量投与とならないように制限がつけられています。 - 日本国籍を有しており、ハーフやクオーターなどの混血でない事
日本国内で実施されている治験は、
国内での薬剤販売許可を得るために実施しています。
外人やハーフの方は、純粋な日本人と薬剤代謝能力が異なっています。
日本国内での薬剤販売許可を申請するデータに、
外国人やハーフの方のデータは不適切ですので、
治験には参加できない形となっています。
臨床第T相試験の治験に参加できない基準
- 薬剤、喘息、アトピー性皮膚炎をお持ちの方
治験で投薬される薬は、開発過程の薬剤となります。
基本的に何が起こるかわからないと考えておりますので、
アレルギー体質の方は、ご遠慮いただいています。 - 採血が困難な方
治験に参加した場合には一日10回以上の採血が行われる事もあります。
血管が細い方はそれに加え、再採血の回数も加算されてしまうために、
身体への負担が大きくなってしまいます。
また、第1相試験では、分単位で検体採取が行われているため、
採血が困難な方は治験には不向きと考え、参加をご遠慮いただいています。 - 薬剤を常用している方
治験では新薬候補を投薬するため、他の薬剤は使用できません。
薬の飲み合わせが悪い場合、肝臓の薬物代謝酵素が薬剤間で取り合いになるため、
正確なデータを収集する事ができなくなります。
また、場合によって副作用が出る事もあります。 - 臓器の摘出手術暦のある方(特に消化管)
臓器の摘出(特に消化管)がされている場合には、
一般の方と比べて薬剤の吸収が大きく異なるためにお控えいただいています。 - 筋肉疲労を伴う作業や運動をやめる事ができない方
どの薬剤でもありえる副作用の中で、横紋筋融解症という副作用があります。
この副作用は、運動により筋肉が崩壊した時と同じような臨床検査数値を示します。
治験アルバイトの方が運動を止められない場合、
投薬により横紋筋融解症が発生したとしても、
運動による臨床検査数値の変動と被ってしまい見逃してしまう場合があります。
このような事態を未然に防ぐために、
運動がやめられない場合には治験には参加できない形となっています。 - 禁酒が行えない方
お酒に含まれているアルコールは肝臓で代謝をされている事をご存知ですか?
実は薬剤の代謝につきましても基本的には全て肝臓で行われています。
アルコールを飲む事によって肝臓に疲労がたまりますが、
新薬候補の薬剤をさらに追加で投薬してしまうと、
肝臓の機能が破綻してしまう可能性があるので飲酒の規制がされています。